今回の山行は、ヤビツ峠からスタートし、ヨモギ平を経て三ノ塔へ。その後、表尾根を辿って行者ヶ岳を越え、最後は政次郎尾根を下るルートを選択した。
いわゆる王道の表尾根に、あえて少し外した区間を組み合わせた構成だ。結果として、静けさと賑わい、そして緊張感のある下りを一度に味わう山行となった。
ヤビツ峠〜ヨモギ平:静かな立ち上がり

ヤビツ峠を出発すると、想像していたよりも人は少ない。青山荘周辺はルートが分かりづらく、何度か立ち止まることになる。こういう場面では、体力以上に判断力が試される。

このあたりはヒルが多いエリアとして知られているが、さすがにこの時期はまだ気配はない。

BOSCOオートキャンプベース付近から尾根に乗ると、ようやく流れが安定する。ヨモギ平までの登りは、派手さはないが確実に脚にくる。淡々と登り続ける時間が続くが、この単調さを崩さずに進めるかが後半に効いてくる。

登山者ともほとんどすれ違わず、静かな時間が続いた。

三ノ塔〜表尾根:一気に開ける視界
三ノ塔に出ると、それまでの空気が一変する。視界が開け、塔ノ岳へと続く稜線が目に入る。登山者も一気に増え、賑わいを感じるようになる。

もともと計画には入れていなかったが、立ち寄った価値はあった。景色だけでなく、ここから先のルートの雰囲気を一度リセットできる。

表尾根は歩いていて気持ちがいいが、楽ではない。烏尾山、行者ヶ岳へと進むにつれて、足元は土から岩へと変わり、意識も自然と足の置き場へ向かっていく。
行者ヶ岳の鎖場:まだ掴みきれていない感覚
今回の目的の一つが、行者ヶ岳の鎖場だった。

何度か通過しているが、いまだにしっくりこない。通過自体は問題ないものの、「これで正しいのか」という感覚が残る。
腕に頼れば安定するが、それでは本質的ではない気がする。足の置き方、重心の位置、体の向き。細かい部分でのズレが、不安定さとして残る。
経験を重ねれば解決するものでもなさそうで、意識的に修正していく必要があると感じた。
政次郎尾根:ごまかしの効かない下り

分岐から政次郎尾根に入ると、再び人が減る。序盤は比較的歩きやすいが、徐々にガレ場が増え、ルートもやや不明瞭になる。

一般登山道ではあるものの、感覚としてはそれ以上の注意が必要だ。
特に下りでは、ごまかしが効かない。どこに足を置くかだけでなく、「どこに置かないか」を選ぶ必要がある。浮石や滑りやすい箇所を避けながら、一つひとつ確実に処理していく。
天神尾根よりは穏やかな印象はあるが、決して気を抜けるルートではない。
下山〜大倉:緊張からの解放
戸沢山荘に到着したあたりで、ようやく気持ちが緩む。そこから先は林道と歩きやすい道が続き、大倉へと向かう。

終盤には桜が満開で、タイミングの良さを感じた。意図していたわけではないが、こうした余白があると山行全体の印象も柔らかくなる。

コースタイム
| 時刻 | 行動 |
|---|---|
| 08:02 | ヤビツ峠 出発 |
| 08:31 | 青山荘 |
| 08:44 | 諸戸山林事務所 |
| 09:49 | BOSCOオートキャンプベース |
| 10:34 | ヨモギ平 |
| 10:39 | 三ノ塔地蔵菩薩 |
| 10:57 | 三ノ塔 |
| 11:20 | 烏尾山荘 |
| 11:35 | 烏尾山 |
| 11:48 | 行者ヶ岳 |
| 11:56 | 行者の鎖場 |
| 13:01 | 政次郎ノ頭 |
| 13:11 | 天神尾根入口 |
| 13:14 | 戸沢山荘 |
| 13:23 | 戸沢出合駐車場 |
| 13:58 | 新茅山荘 |
| 14:16 | 竜神の泉 |
| 14:27 | 大倉バス停(ゴール) |
山行データ
- 距離:16.2km
- 登り:1,015m
- 下り:1,482m
- 行動時間:6時間25分
まとめ
静かな尾根、開放的な稜線、そして集中を要する下り。バランスの取れたルートだった。
一方で、鎖場や尾根の下降については「通過できているだけ」という感覚が残る。技術として身についているとは言い難い。
山行としては成立しているが、完成しているわけではない。
こうした違和感を放置せず、次に繋げていくことが必要だと感じた。






