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岩と草原と空の交差点 — 乾徳山周回で試したもの

Posted on 2026年5月6日 by XUONIX

今回の山行の目的は明確だった。
岩稜帯への適応、鎖場の処理能力、そして歩荷状態での安定した行動。

舞台に選んだのは、山梨県の名峰 乾徳山。
この山は単なるピークハントでは終わらない。樹林帯、草原、岩場、そして鎖場と、登山に必要な要素が凝縮された“総合演習場”のような存在だ。

前日の雨によりコンディションは万全とは言えないが、それもまた現実の山。むしろ条件としては好都合だった。


INDEX
1 コースタイム
2 樹林帯から草原へ
3 岩が現れる
4 鳳岩 — 試される場所
5 山頂と余韻
6 下山という現実
7 総括
8 終わりに

コースタイム

今回の行動記録を整理する。

時刻行動
09:09乾徳山登山口バス停 出発
09:33登山口(オソバ沢ルート)
09:54銀晶水
10:31錦晶水
10:43国師ヶ原
11:07月見岩
11:10扇平
11:46髭剃岩
12:19乾徳山 山頂
12:49北峰
14:02高原ヒュッテ
14:47道満山
15:23乾徳山登山口バス停 下山

行動時間は約6時間。
急ぎすぎず、かといって緩みもしない、一定のリズムを維持した山行だった。

© OpenStreetMap contributors

樹林帯から草原へ

序盤は舗装路と樹林帯。人はまばらで静かだ。
やがて現れる水場、銀晶水と錦晶水。利用する登山者もいたが、周辺には野生動物の気配もあり、判断は分かれるところだろう。

高度を上げると、一気に視界が開ける。
国師ヶ原はまるで別世界だ。草原が広がり、空が近い。

この時点で見えた富士山は、文句のつけようがなかった。
さらに南アルプスの山々も視界に入り、乾徳山の持つ“展望の強さ”を実感する。


岩が現れる

扇平を過ぎると、山の性格が変わる。
土から岩へ。穏やかだった登山道は、徐々に緊張感を帯びていく。

鎖場も現れるが、序盤は使わずに通過可能。
問題はその先だ。

髭剃岩を越えたあたりから、高度感が一気に増す。
そしてカミナリ岩。ここで「鎖場の山」であることを思い出させられる。

だが、本当の核心はまだ先にある。


鳳岩 — 試される場所

乾徳山の象徴とも言える核心部、鳳岩。

取り付いた瞬間に分かる。
これは“簡単ではない”。

序盤はホールドが乏しく、三点支持すら取りづらい。
結果として、鎖を主体に身体を引き上げる形になった。

登ること自体はできる。
だが、それが最適解だったかは疑問が残る。

ここは「登れたかどうか」ではなく、「どう登ったか」が問われる場所だ。


山頂と余韻

鳳岩を抜けると、急に視界が開ける。
そこが山頂だ。

広すぎず、狭すぎず。
だが、眺望は一級品。

岩稜帯を越えてきた後だからこそ、この空間には独特の静けさがある。

そのまま北峰へ足を延ばす。
登山者は少なく、展望もないが、こうした“寄り道”が山行の密度を上げる。


下山という現実

下りは楽ではない。
むしろ、ここからが消耗の本番だ。

ガレ場の斜面は地味に体力を削る。
一歩一歩、バランスと集中力が要求される。

やがて高原ヒュッテを経て、再び国師ヶ原へ。
あの開けた空間に戻ってくると、緊張がほどける。

その後は緩やかな道を辿り、無事下山。
最後に現れるゲートと舗装路は、いわば“現実への帰還”だ。


総括

乾徳山は単なるトレーニングの場ではない。
山の要素が凝縮された、完成度の高い一座だ。

今回の目的である

  • 鎖場の経験
  • 岩稜帯への適応
  • 歩荷トレーニング(5.5kg)

これらは一定の成果を得た。

ただし、課題も明確だ。
鳳岩での動きは、まだ洗練されていない。
技術的には、改善の余地が大きい。

それでも、高度感に対する耐性は確実に上がっている。
恐怖ではなく、状況として処理できている感覚。

それは次のステージに進むための、重要な変化だ。


終わりに

乾徳山は、繰り返す価値のある山だ。
条件を変え、装備を変え、技術を試す。

同じルートでも、毎回違う山になる。

だからこそ、また来る。
次はもっと静かに、もっと正確に登るために。

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