Skip to content
The Team XUONIX
Menu
  • ホーム
  • XUONIXとは
  • お問い合わせ
  • プライバシーポリシー
Menu

負荷の中でしか見えないもの – 鍋割山〜塔ノ岳〜三ノ塔 縦走の記録

Posted on 2026年4月27日 by XUONIX
INDEX
1 負荷をかけるという選択
2 沢から稜線へ:鍋割山までのアプローチ
3 稜線の持久戦:塔ノ岳までのリズム
4 技術区間:表尾根と鎖場の変化
5 静と疲労:三ノ塔とその先
6 装備の検証:ザック・ポール・行動食
7 通信という安心:衛星接続の現実
8 総括:できた山行ではなく、見えた山行

負荷をかけるという選択

山行の質は、快適さではなく「崩れないかどうか」で測るべきだと思っている。
今回の目的は、トレッキングポールの導入、歩荷による重量負荷、そして衛星通信の検証。この三つを同時に成立させることだった。

ルートは鍋割山から塔ノ岳、さらに三ノ塔へと抜ける縦走。距離21km、累積標高約1,600m。日帰りとしては長めだが、負荷をかけるにはちょうどいい。

今回のコースタイムは以下の通り。

時刻行動
07:09大倉バス停 出発
07:56黒竜の滝
08:21二俣
09:16後沢乗越
10:12鍋割山
10:27鍋割山荘
11:15大丸
11:36塔ノ岳
12:02尊仏山荘
12:41塔ノ岳 出発
13:19行者ヶ岳
14:05烏尾山
14:11三ノ塔
16:19大倉バス停 着

(行動時間:9時間10分 / 距離:21.4km / 累積標高:約1,650m)

© OpenStreetMap contributors

数字としては成立しているが、今回の本質はそこではない。負荷をかけたときに、どこで崩れるのか。その確認だった。


沢から稜線へ:鍋割山までのアプローチ

大倉を出発し、沢沿いのルートへ入る。黒竜の滝、二俣と通過し、渡渉を繰り返しながら高度を上げていく。序盤としては穏やかだが、確実に脚を使わせる構成だ。

鍋割山に到達した時点で、水を2L追加。一時的にザックは約9kgとなる。歩荷としては軽量だが、日帰り装備としては明確な負荷。ここで重要なのは重量そのものではなく、その影響をどう受けるかだ。

腰に乗せる意識はあったものの、時間の経過とともに肩へと負担が移行していく。この段階で既に、パッキングとハーネス調整の甘さが露呈していた。


稜線の持久戦:塔ノ岳までのリズム

鍋割山から稜線に出ると、景色は開けるが楽になるわけではない。小丸、大丸と細かいアップダウンを繰り返し、一定のリズムを維持し続けることが求められる。

塔ノ岳に近づくにつれて人は増え、山頂は賑わいを見せていた。工事の影響もあり、どこか落ち着かない空気が流れている。尊仏山荘でコーヒーを飲み、短時間の休憩。完全に止まるのではなく、流れを切らない程度に回復させる。このバランスが長時間行動では重要になる。


技術区間:表尾根と鎖場の変化

塔ノ岳から表尾根へ。木ノ又小屋を通過し、新大日でトレッキングポールを収納する。ここから先は、道具に頼るよりも身体のバランスで進む区間に変わる。

行者ヶ岳の鎖場では、ほぼ鎖を使わずに通過できた。これまでの経験の積み重ねが形になり始めている。ただし、それはあくまで条件付きだ。環境が変われば、同じ動きは通用しない。

技術が伸びている実感と、限界がどこにあるのか分からない不確実さ。その両方を抱えながら進むことになる。


静と疲労:三ノ塔とその先

烏尾山を越え、三ノ塔へ。塔ノ岳の喧騒とは対照的に、ここには静けさがある。視界は開け、歩いてきた稜線が一望できる。

しかし、山行としての核心はここからだった。三ノ塔から大倉へ下る樹林帯。技術的な難易度は高くないにもかかわらず、疲労と単調さが重なり、精神的な消耗が強くなる。

長い下りは身体ではなく集中力を削る。「難しくないのに辛い区間」にどう向き合うか。この課題は明確に残った。


装備の検証:ザック・ポール・行動食

ザックの重量は最大9kg。数値としては問題ないが、肩への痛みが残った。これは体力の問題ではなく、荷重分散とパッキングの技術不足だ。

トレッキングポールについても同様で、使う場面と使わない場面の切り替えが曖昧だった。適切に使えば負担軽減になるが、使い方を誤れば単なる障害物になる。

行動食はドリンク中心。食欲が落ちる状況では合理的だが、持続性という観点では改善の余地がある。


通信という安心:衛星接続の現実

今回導入した衛星通信は、気付かないうちに接続されているという点で、従来とは異なる安心感をもたらした。

ただし、それはあくまで通信手段があるというだけで、安全を保証するものではない。判断と行動の責任は変わらず自分にある。この前提は崩れない。


総括:できた山行ではなく、見えた山行

今回の縦走は成立している。距離も時間も、負荷も許容範囲内に収まっている。

だが重要なのは、装備と身体の間にあるズレが明確になったことだ。体力で押し切れている部分と、技術が追いついていない部分。その境界がはっきりと見えた。

負荷をかけたときにしか見えないものがある。その輪郭を掴めたこと自体が、今回の成果だった。

未知の稜線へ ── この記事もおすすめ

  • 山開きの 塔ノ岳 を歩く - 10時間超えピストンの真相

    丹沢の象徴的ピークである塔ノ岳。中でも大倉尾根 は、登山者にとって“基準ルート”とも言える存在だ。 標高差は約1,200m。道は明瞭で迷いにくいが、ひたすら続く登りが脚力と心肺を確実に削る。ごまかしが効かない ― だからこそ、自分の実力を測るには最適なルートで…

  • 【実録】蛭ヶ岳日帰りピストン(蛭トン)はきつい?コースタイムと難易度、登山後の疲労感を正直にレビュー

    2025年11月15日。早朝、私は大倉バス停に立っていた。目指すは蛭ヶ岳—日帰りで往復する「蛭トン」。今日、全身で山を刻む修行の一日が始まる。 空は晴れ渡り、冷気が肺を突く。まずは大倉バス停からスタート。足元に落ち葉を踏みしめる音が静寂を破る。塔ノ岳までは比較…

  • 宮ケ瀬湖から丹沢山を越え、大倉へ

    以前から歩いてみたかったルートを、ようやく歩いた。 宮ヶ瀬湖から丹沢主脈へ上がり、丹沢山を越え、塔ノ岳を経て大倉へ抜ける。地図で見れば一本の線だが、実際に歩くと、その一本は決して軽くない。 距離20.5km。累積標高差は登り1,836m。本来は1泊が推奨される…

  • 政次郎尾根へ - 幾度となく越えた鎖場で問い直す

    今回の山行は、ヤビツ峠からスタートし、ヨモギ平を経て三ノ塔へ。その後、表尾根を辿って行者ヶ岳を越え、最後は政次郎尾根を下るルートを選択した。 いわゆる王道の表尾根に、あえて少し外した区間を組み合わせた構成だ。結果として、静けさと賑わい、そして緊張感のある下りを…

  • 規制解除後の大倉尾根 ー 変わらない道と変わった景色

    大倉尾根は、今日も変わらず人を迎えていた。規制が解除された直後だというのに、登山口の空気はいつもと同じだ。人が集い、歩き出し、淡々と高度を上げていく。山は何事もなかったかのように、登山者を受け入れている。 だが、違和感は確かに存在していた。 今回の山行は、大倉…

投稿ナビゲーション

← 圏外でも繋がる時代へ ― au Starlink Directはソロ登山の前提を変えるのか
スポンサーリンク
  • 負荷の中でしか見えないもの – 鍋割山〜塔ノ岳〜三ノ塔 縦走の記録
  • 圏外でも繋がる時代へ ― au Starlink Directはソロ登山の前提を変えるのか
  • 登山中に食べられない問題と、ベースブレッドという選択肢の現実
  • 山開きの 塔ノ岳 を歩く – 10時間超えピストンの真相
  • 本仁田山~川苔山縦走 – 削られ、試され、生還する奥多摩の稜線
  • 登山ギア
  • 登山記録
  • 知識

レイヤリング 三ノ塔 三浦アルプス 丹沢大山 丹沢山 仏果山 八国見山 初心者 塔ノ岳 大山三峰山 大岳山 大菩薩嶺 室根山 小仏城山 川苔山 御前山 御岳山 政次郎ノ頭 明星ヶ岳 明神ヶ岳 景信山 本仁田山 本社ヶ丸 檜洞丸 湘南平 登山アプリ 百均 相州アルプス 矢倉岳 経ヶ岳 藤野15名山 蛭ヶ岳 行動食 行者ヶ岳 通信デバイス 金時山 鍋割山 鎌倉アルプス 陣馬山 電子機器 頭高山 高取山 高尾山 高水三山 高水山

2026年4月
月 火 水 木 金 土 日
 12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
27282930  
« 3月    
にほんブログ村 アウトドアブログ 登山へ 登山ランキング
© 2026 The Team XUONIX