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塔ノ岳 大倉尾根【堀山の家火災後】規制解除直後の登山レポート|焼け跡の現状と道の状況

Posted on 2026年1月17日2026年5月19日 by XUONIX

大倉尾根は、今日も変わらず人を迎えていた。
規制が解除された直後だというのに、登山口の空気はいつもと同じだ。人が集い、歩き出し、淡々と高度を上げていく。山は何事もなかったかのように、登山者を受け入れている。

だが、違和感は確かに存在していた。

今回の山行は、大倉尾根から塔ノ岳へのピストン。
装備重量増加を見据えたトレーニング―それは半分だけ本音で、もう半分は、
堀山の家を自分の目で見るためだった。


INDEX
1 いつも通り、という異様さ
2 堀山 ―― 立ち止まらざるを得ない場所
3 それでも登山道は続いている
4 塔ノ岳 ―― 変わらぬ頂で
5 下山 ―― 語られる記憶
6 コースタイム
7 終わりに

いつも通り、という異様さ

大倉バス停から歩き出す。混雑具合は、普段の土曜日と変わらない。
観音茶屋、見晴茶屋、一本松。リズムよく高度を稼ぎながら、身体は自然と「いつもの大倉尾根」に順応していく。

規制線は、もうない。
通行止めの名残も、誘導もない。登山道は、完全に“開いて”いた。

それが、かえって異様だった。


堀山 ―― 立ち止まらざるを得ない場所

堀山に差し掛かると、空気が変わる。
足を止める登山者が増え、言葉数が減る。ここでは誰もが、歩みを速めようとはしない。

焼け跡。
焦げた木。
そして、視界に入ってきた看板の残骸。

「あれは……堀山の家の、看板ですよね」

誰かが呟く。その言葉に、誰も否定しない。
受け入れがたい光景だった。失われたものの大きさは、数字でも距離でも測れない。

堀山の家は、単なる休憩地点ではなかった。
登山者の記憶が、幾層にも積み重なった“場所”だったのだ。


それでも登山道は続いている

小草平を越え、天神尾根分岐へ向かう頃、焼損範囲はさらに広がる。
天神尾根付近は、想像以上に燃えた痕跡が残っていた。

それでも、危険箇所はない。
歩ける。登れる。下れる。

この事実が、山の冷静さを物語っている。
人の感情とは無関係に、登山道は機能し続けている。


塔ノ岳 ―― 変わらぬ頂で

花立を越え、金冷シを抜け、山頂へ。
塔ノ岳は、いつも通りそこにあった。

尊仏山荘でコーヒーをいただく。
湯気の立つカップを手に、景色を眺めながら思う。

失われたものは確かに大きい。
だが、山は続いている。
そして、人はまた歩き続ける。


下山 ―― 語られる記憶

下山時、堀山の家付近では、再び人が足を止めていた。
思い出を語る声。笑い声。沈黙。

これだけ愛された山小屋だったのだ。
だからこそ、誰もが願っている。

いつか、またここに灯がともることを。


コースタイム

時刻行動地点備考
07:07大倉バス停 出発
07:11大倉山の家
07:21丹沢ベース
07:28観音茶屋
07:43雑事場ノ平
07:48見晴茶屋※1・2月休業
08:02一本松
08:16駒止茶屋
08:24堀山
08:31堀山の家跡
08:40小草平
08:57天神尾根分岐
09:18花立山荘
09:34花立ノ頭
09:39金冷シ
09:55塔ノ岳 到着
10:35塔ノ岳 出発休憩
10:47金冷シ
10:52花立ノ頭
10:59花立山荘
11:19天神尾根分岐
11:35小草平
11:41堀山
11:48駒止茶屋
11:59一本松
12:11見晴茶屋
12:14雑事場ノ平
12:26観音茶屋
12:32丹沢ベース
12:42大倉山の家
12:45大倉バス停 到着
© OpenStreetMap contributors

終わりに

規制は解除された。
だが、失われた時間と記憶は、簡単には戻らない。

それでも、大倉尾根は歩ける。
今日も、明日も、登山者を迎え入れる。

山は逃げない。
ただ静かに、そこに在り続けている。

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