雨予報だった。
本来であれば自宅で休養に充てる予定だったが、昼頃には天候が持ち直しそうな予報へ変わった。山へ行かない理由がひとつ消えた。
向かった先は大野山。
丹沢の山々は何度も歩いてきたが、大野山だけは少し特殊な存在だと思っている。
急登もない。
岩場もない。
鎖場もない。
それでも、ふと歩きたくなる。
今日は9.5kgの荷を背負い、谷峨駅から山頂を経由して山北駅まで歩くことにした。
山行概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 山域 | 丹沢 |
| 山名 | 大野山 |
| 日程 | 2026年6月21日 |
| 天候 | 曇りのち晴れ |
| 距離 | 10.9km |
| 累積標高差 | 約600m |
| 行動時間 | 4時間03分 |
| 歩荷重量 | 9.5kg |
コースタイム
| 時刻 | 行程 |
| 12:30 | 谷峨駅 |
| 13:10 | 都夫良野頼朝桜 |
| 13:31 | 谷峨駅・山北分岐 |
| 14:26 | 十字路 |
| 14:42 | 大野山山頂 |
| 14:50 | 山頂標識 |
| 15:46 | 大野山駐車場 |
| 15:58 | 共和小学校付近 |
| 16:15 | 大野山登山口 |
| 16:32 | 山北駅 |
湿った空気の中を登る
谷峨駅に降り立つと、周囲はまだガスの中だった。

数時間前まで降っていた雨の影響だろう。
空気は重く、湿度も高い。

歩き始めて間もなく汗が流れ始める。

大野山の登山道はよく整備されている。危険箇所もなく、登山初心者にも歩きやすいルートだ。
静かな樹林帯を抜けながら標高を上げていく。
登山者の姿は少ない。
聞こえるのは鳥の声と、自分の呼吸だけだった。
丹沢とは思えない景色
標高を上げるにつれ、徐々に空が明るくなってきた。

そして山頂へ到着する頃には、すっかり青空が広がっていた。

大野山の魅力は、この開放感にある。

丹沢といえば急峻な尾根や深い樹林帯を思い浮かべる人が多いだろう。
しかし大野山は違う。
広々とした草地。

のどかな牧場の風景。

風に揺れる草と空。
目の前の景色だけを見ていると、ここが丹沢であることを忘れてしまう。
何度訪れても、この独特の空気感には惹かれるものがある。
山頂から再び雲の中へ
休憩を終えて下山を開始すると、再びガスが山肌を這い上がってきた。
ほんの数十分前まで見えていた景色が、少しずつ白く閉ざされていく。

山の天気は本当に忙しい。
下山路は長い樹林帯が続く。
個人的にはこうした単調な下りはあまり得意ではない。

それでも黙々と歩き続ける。
途中には倒木も見られた。
先日の荒天の影響だろうか。

自然の中では、人間が作った道も簡単に姿を変える。
改めて山の力を感じる瞬間だった。
大野山だからこそ気付けたこと
今回の山行は決して調子が良かったわけではない。
前日は睡眠不足。
さらに昼食も取らずに歩き始めてしまった。
山頂へ向かう途中から身体は重く、いつもの感覚とは明らかに違っていた。
シャリバテだったのか。
あるいは脱水気味だったのか。
原因はひとつではないだろう。
ただ確かなのは、山の難易度に関係なく準備は必要だということだ。
大野山は優しい山だ。
だからこそ油断が生まれる。
もしこれが長距離縦走や北アルプスの稜線だったら、同じようには歩けなかったかもしれない。
登山では体力も技術も重要だ。
しかしその前に、睡眠を取り、食事を摂り、水を持つ。
当たり前のことを当たり前にやる。
結局のところ、それが安全登山の土台なのだと思う。
まとめ
大野山は丹沢の中でも異質な山である。
厳しさよりも穏やかさ。
達成感よりも心地良さ。
山頂に立って何かを征服した気分になる山ではない。
ただ静かに歩き、自分を整える。
そんな時間を与えてくれる山だ。
だから私は、またこの山へ戻ってくるのだと思う。







