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塔ノ岳 仲尾根〜天神尾根 周回 – 静けさと荒廃の中で削がれていく感覚

Posted on 2026年2月2日2026年2月3日 by XUONIX

山を歩く理由は人それぞれだが、XUONIXが大切にしているのは「山を通じて心身を整えること」だ。景色を消費するのではなく、身体を動かし、判断し、耐えることで、余計なものが自然と削ぎ落とされていく。その過程そのものに価値がある。

今回歩いたのは、丹沢・塔ノ岳の仲尾根から登り、天神尾根で下る周回ルート。大倉尾根という定番をあえて外し、静寂と荒廃が色濃く残るルートを選んだ。結果として、この選択は「楽しい登山」よりも、「自分と向き合う登山」だったと感じている。


INDEX
1 山行データ
2 中尾根|誰にも会わない時間が続く登り
3 表尾根合流|山の空気が一変する瞬間
4 塔ノ岳|変わらないものがある場所
5 天神尾根|整備されていない下山という選択
6 戸沢山荘で思ったこと
7 まとめ|削がれた先に残るもの
8 コースタイム(実績)

山行データ

  • 山域:丹沢
  • 山名:塔ノ岳(1,491m)
  • 日程:2026年2月1日(日)
  • 天候:晴
  • 距離:19.0km
  • 累積標高差:登り1,459m/下り1,461m
  • 行動時間:8時間02分(休憩54分)

中尾根|誰にも会わない時間が続く登り

大倉バス停からしばらくは車道歩きが続く。登山としては味気ないが、この単調な時間が思考を静めてくれる。新茅山荘付近から登山道に入ると、傾斜のある尾根が始まる。仲尾根は終始登りが続き、緩む場面は少ない。

この日は誰一人ともすれ違わなかった。足音と呼吸音だけが一定のリズムで続き、周囲の情報量は極端に少ない。ごまかしのきかない登りの中で、体力だけでなく集中力やメンタルの状態がそのまま表に出る。


表尾根合流|山の空気が一変する瞬間

烏尾山で表尾根に合流すると、空気が明らかに変わる。登山者の数が増え、道も明瞭になり、いわゆる「丹沢らしい」雰囲気が戻ってくる。行者ヶ岳、政次郎ノ頭を越え、新大日から木ノ又小屋へ。

木ノ又小屋でいただいたコーヒーは、単なる嗜好品ではなく、身体と意識を整えるための区切りのように感じられた。こうした小さなリセットが、その後の行動を安定させてくれる。


塔ノ岳|変わらないものがある場所

正午前に塔ノ岳山頂へ到着。何度訪れても、この場所の展望は裏切らない。ここまでの静寂と賑わい、単調さと変化、そのすべてが山頂で一度フラットになる感覚がある。

山頂からは大倉尾根を少し下り、天神尾根分岐へ向かう。ここから先は、再び人の気配が薄れていく。


天神尾根|整備されていない下山という選択

天神尾根は、一般的な登山道を想像して入ると戸惑う。登山道は不明瞭で荒れており、ピンクテープを頼りに進む場面が多い。足元は不安定で、集中力を欠くと一気にリスクが高まる。

途中、落石の音が何度か聞こえた。天候が良好だったから成立したルートであり、雨後や凍結期での選択は慎重であるべきだと感じる。この尾根は、下山でありながら、最後まで判断力を要求してくる。


戸沢山荘で思ったこと

戸沢山荘では、天神尾根を使って荷上げをしているチャンプに遭遇した。実際にこの尾根を歩いた直後だったため、その仕事の重みが現実として理解できる。山は楽しむ場所であると同時に、生活や仕事の場でもある。その事実を静かに突きつけられた気がした。


まとめ|削がれた先に残るもの

仲尾根から天神尾根をつなぐこの周回は、決して万人向けではない。だが、定番ルートを一通り歩いたあとに選ぶルートとしては、非常に密度が高い。静けさ、単調な登り、荒廃した下山路。そのすべてが、自分の状態をそのまま映し出す。

山を歩くことで得られるのは、達成感だけではない。不要な思考や感情が削がれ、感覚が研ぎ澄まされていく。その感覚こそが、XUONIXが考える「山に入る意味」なのだと思う。


コースタイム(実績)

時刻ポイント
7:08大倉バス停 出発
7:46竜神の泉
8:22新茅山荘付近(登山道へ)
9:55烏尾山(表尾根合流)
11:05木ノ又小屋
11:42塔ノ岳 山頂
12:47天神尾根 分岐
13:43天神尾根 下山完了
15:11大倉バス停 到着
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