3度目となるTJTに挑戦した。
今回のテーマは、ただのロングハイクではない。
12.1kgのザックを背負って、高尾山~陣馬山を往復する。
目的は歩荷トレーニング。
先週の山行で、北アルプスをテント泊で縦走してみたいという欲が出てきた。そのためには、ある程度の荷物を背負って長時間歩き続ける必要がある。
では、現在の自分はどこまで背負えるのか。
それを確認するための山行だった。
結果から言う。
帰路で完全に足が終わった。
まさに「地獄のTJT」となった。
今回のTJT
今回のルートは、高尾山口から高尾山、城山、景信山、堂所山、明王峠を経由して陣馬山へ。
そこから同じルートを高尾山口まで戻る。
距離は28.6km。
累積標高は1,579m。
そしてザック重量は12.1kg。
日帰りとしては、なかなかの重量だ。
コースタイムは以下の通り。
| 区間 | 時刻 |
|---|---|
| 高尾山口 | 6:24 |
| 高尾山 | 7:41 |
| 小仏城山 | 8:49 |
| 景信山 | 9:49 |
| 堂所山 | 10:50 |
| 明王峠 | 11:27 |
| 陣馬山 | 12:06 |
| 景信山 | 14:27 |
| 小仏城山 | 15:27 |
| 高尾山 | 16:31 |
| 稲荷山 | 17:06 |
| 高尾山口 | 17:49 |
山行時間は11時間23分。
休憩を除いた歩行時間は9時間6分。
距離28.6km、累積標高1,579mという、数字だけ見れば普通にハードな山行である。
朝は完全に余裕だった
6時24分、高尾山口をスタート。

この時点では、特に問題なし。
12.1kgのザックも、それほど重く感じない。
むしろ、
「これなら余裕じゃないか?」
くらいに思っていた。
高尾山までの登りも順調。
稲荷山コースを淡々と進み、7時41分に高尾山へ到着。

富士山も薄っすら見える。

まだ体力には十分余裕がある。
この時点では、今回のTJTが「地獄」になるとは思っていなかった。
城山、景信山、堂所山
高尾山を越えて城山へ。
8時49分、小仏城山に到着。

ここで一言。
暑すぎる。
まだ朝だというのに、とにかく暑い。
「ビールでも飲んで帰りたい」
そんなことを考えながら先へ進む。

景信山を経由し、堂所山へ。
堂所山直下には、それなりの急登がある。
12.1kgを背負っているので、それなりに負荷は感じる。
それでも問題なく登る。
10時50分、堂所山到着。

マニアックな山頂なのに、なぜか登山者が途絶えない。
不思議な山頂である。
ここまで来ても、まだ余裕がある。
明王峠を越えて陣馬山へ
堂所山を越え、明王峠へ。
そこからさらに陣馬山を目指す。
このあたりはアップダウンが連続する。
しかし、まだ脚は動く。
12.1kgを背負っていることを考えれば、かなり順調だ。
そして12時06分。
陣馬山到着。

ついに来た。
高尾山口から約5時間40分。
ここまで大きな問題はない。
むしろ、
「12.1kgでも普通にTJTできるじゃないか」
と思っていた。
陣馬山で昼食
陣馬山では少し長めに休憩。
さらに今回持ってきた大量の水を確認する。
合計、
8L。

もちろん全部が飲料水というわけではないが、かなりの重量を水だけで確保している。
歩荷トレーニングとしては、なかなかの重量だ。
12時35分。
さて……高尾山へ戻る。
ここからが本番だった。
復路で異変が始まる
陣馬山から明王峠へ戻る。
このあたりでは、まだ大丈夫。
明王峠を通過。
堂所山を通過。
景信山へ。
14時27分、景信山に帰還。
ここまでも何とか問題ない。
そして小仏峠。
さらに小仏城山。
15時27分。
小仏城山に戻ってきた。
ここで、明らかに身体がおかしい。
足が重い。
単純に疲れているというレベルではない。
一歩一歩が重い。
高尾山まで戻れる気がしない。
「これ、ヤバくないか?」
さすがにそう思った。
かき氷に救われる
15時32分。
小仏城山で休憩。
とりあえず、かき氷を食べる。

暑さと疲労で完全に消耗している。
身体を冷やし、休憩する。
しばらくすると多少回復した。
これなら何とか高尾山まで行けそうだ。
そう思って再出発。
しかし、脚の重さは完全には戻らない。
高尾山直下のラスボス
16時09分。
高尾山直下。
ここで待っているのが最後の登り。

普段なら何でもない場所だ。
しかし今日は違う。
12.1kgの荷物。
約20kmを歩いてきた脚。
そして猛烈な暑さ。
高尾山直下のラスボス。
ここが異様に長く感じる。
一歩ずつ進む。
そして16時31分。
なんとか高尾山まで戻ってきた。

ここまで来れば、あとは下るだけ。
そう思った。
稲荷山で完全に足が死ぬ
高尾山から稲荷山コースへ。
しかし、ここでさらに状態が悪化する。
17時06分。
稲荷山到着。
もう足が完全に死んでいる。
まともに歩けない。
ここで、
「これ、本当に下山できるのか?」
という疑問が出てくる。
そして本気でビバークを考え始める。
高尾山でビバーク。
冷静に考えればかなり情けない。
しかし、実際に身体が動かなくなってくると笑えない。
山で怖いのは、必ずしも岩場や滑落だけではない。
疲労によって歩けなくなることも遭難につながる。
それを身をもって理解した。
もう普通に歩けない
17時40分。
もう普通に歩けていない。
一歩ずつ、なんとか足を出す。
そして17時44分。
ついに下界へ。

誰もいない高尾山口。

そして17時48分。
ヴィクトリーロード!!
17時49分。
高尾山口駅へ生還。

長かった。
本当に長かった。
今回の結果
今回の山行データ。
| 項目 | 結果 |
| 距離 | 28.6km |
| 累積標高 | 1,579m |
| 山行時間 | 11時間23分 |
| 歩行時間 | 9時間06分 |
| 休憩時間 | 2時間18分 |
| ザック重量 | 12.1kg |
| 最大標高 | 約852m |
| 天候 | 晴れのち曇り |
数字だけを見ると、そこまで異常な山行には見えない。
しかし、今回は12.1kgという荷物を背負っていたことが重要だった。
往路では問題なく歩けた。
陣馬山にも到達できた。
しかし、復路の後半で一気に脚が終わった。
これは今の自分の「長時間+重量」に対する限界が、かなり明確に出た結果だと思う。
「歩けない」は遭難につながる
今回、一番印象に残ったのはここ。
登山をしていると、
「遭難=滑落」
というイメージが強い。
もちろん滑落は重大なリスクだ。
しかし、
疲労によって歩けなくなることも遭難につながる。
今回、自分自身がそれを経験した。
しかも場所は高尾山。
標高は600m程度。
登山道も整備されている。
それでも、身体が動かなければ普通に困る。
これが北アルプスだったらどうなるのか。
例えばテント泊縦走で12kg以上の荷物を背負い、標高2,500~3,000m級の山を何日も歩く。
そこで今回と同じように脚が完全に終わったら。
気温、天候、標高、登山道の状況。
高尾山とは比較にならない。
そう考えると、今回のTJTはかなり意味のある検証だった。
今後の課題
今回の結果から、いくつか課題が見えた。
体幹の強化
長時間、重量を背負って歩くには脚だけではなく体幹も重要。
12.1kgを背負って約28km。
最後までフォームを維持できる身体を作る必要がある。
トレッキングポールを使う
今回はトレッキングポールを使わなかった。
これも改善点。
長距離かつ重量を背負う場合、脚への負担を分散できる可能性がある。
北アルプスのテント泊縦走を考えるなら、積極的に使っていきたい。
UL系ギアを知る
そして装備。
12.1kg。
テント泊縦走としては、決して極端に重いわけではない。
むしろ比較的軽い部類に入る可能性もある。
ただし、
「12.1kgでも歩けなくなった」
という事実は重い。
体力を鍛えることも重要だが、そもそもの荷物を減らすことも重要。
UL系の装備についても、これまで以上に研究する必要がある。
北アルプスへの課題が見えた
今回のTJTは、成功だったのか失敗だったのか。
陣馬山まで行って帰ってこられたという意味では成功。
しかし、トレーニングとして考えると、むしろ失敗して良かったと思う。
今の自分の限界が分かったからだ。
12.1kgを背負って28.6km。
往路は問題なし。
復路後半で脚が完全に売り切れ。
これが現在の実力。
北アルプスのテント泊縦走をやるなら、ここから先を改善していかなければならない。
荷物を減らす。
体幹を強化する。
トレッキングポールを使う。
そして、長時間の歩荷トレーニングを積む。
今回のTJTは、そのための貴重なデータになった。
それにしても。
高尾山で本気でビバークを考えるとは思わなかった。
3度目のTJT。
過去最高に過酷だった。
まさに、
地獄のTJT。





