登山ギアを選ぶとき、私が最も大切にしている基準がある。
それは 「定番であるかどうか」 だ。
尖った機能や奇抜なアイデアよりも、長年にわたり多くの登山者に選ばれ続けてきた“信頼性の積み重ね”にこそ価値があると考えている。
性能が突出しているギアは、状況によってはメリットになるが、裏を返せば使いこなしに癖があったり、汎用性が低いこともある。
しかし、定番と言われる装備は数多くのフィールドテストを経て、幅広い登山者にフィットするように洗練されている。特にロングセラーの製品は、改良を重ねた結果として“失敗しない選択肢”になっていることが多い。
その考え方の象徴とも言えるのが、私が 標高2000m以下の山で愛用している登山靴「キャラバン C1_02S」 だ。
日本の登山界では “定番中の定番” と称されるモデルで、初級者から中級者まで幅広い層に支持されている。山に入れば、同じ靴を履いている登山者を本当に多く見かける。
余談だが、遭難救助で登ってきた消防隊員がこの靴を履いているのを目にしたこともある。プロが現場で使っているという事実は、何よりの信頼性の証だろう。
■ C1_02Sの特徴 ― “歩きやすさ”を中心に最適化された構造
キャラバン C1_02Sは、軽快さ・歩きやすさ・足のフィット感の3点が非常にバランスよく設計されたライトトレッキングシューズだ。
特に特徴的なのが 柔らかめのシャンク(芯材)。
足裏が自然に曲がるため、登山初心者でもスニーカーに近い感覚で歩ける。急登や長い林道歩きでも足運びがスムーズで、下山時の疲労感の軽減にもつながる。
また、ゴアテックス採用による防水性は言わずもがな。
小雨やぬかるみに足を取られるような場面でも、靴内を快適に保ってくれる。蒸れにくい点も含め、初めての1足にも適した安心感がある。
さらに、C1_02Sが日本で定番とされる理由のひとつが、日本人の足型に合わせたラスト(木型)を使っていること。
特に前足部(つま先〜甲)は“日本人の足の形”に合わせて広めに作られており、フィット感と安定感が得やすい。
標高2000mクラスの山は木の根・段差・ガレ場など変化の激しい地形が多いが、この設計はそうした地面の微妙な凹凸を捉えやすくしてくれる。
■ 実際の使用感 ― 軽やかで扱いやすい、間違いない1足
私がC1_02Sを選んだ理由を一言で言えば、「とにかくバランスが良い」ことだ。
- 軽くて疲れにくい
- ソールは柔らかく、足さばきがしやすい
- 防水性は十分
- 履き心地はスニーカーに近く、初心者でも扱いやすい
- 森林帯や土の道に強いキャラバントレックソール
特に、丹沢・奥多摩・秩父のような森林帯中心の山域では、この靴の柔らかさとグリップ力が非常に相性がいい。<br>
標高2000m以下の山では「これ以上のスペックは不要」と感じるほどだ。
■ 気になる点 ― “定番ゆえの弱点”もある
もちろん欠点もある。
1. かぶりやすい
これは完全に“良い靴の証”とも言えるのだが、山に入ると本当によく同じ靴を見かける。
個性を求める人にとっては、少し物足りないかもしれない。
2. 粘土質の路面ではやや滑りやすい
ソールは、日本の一般的な登山道に適応するよう調整されているが、粘土質の泥・湿った土では若干滑りやすさを感じる場面がある。
ただし、これについては歩行技術で十分カバーできる範囲だ。
むしろ、ビブラムソールのような硬めの底材より“地面を捉えやすい”というメリットもあるため、一長一短と言える。
■ C1_02Sはどんな登山者に向いているか?
- 初心者で「まず間違いのない1足」を探している
- 標高2000m以下の山が中心
- 森林帯、土のトレイルが多い山域によく行く
- 軽量でスニーカーライクな履き心地が好み
- 長時間歩いても疲れにくい靴が欲しい
特に、丹沢・奥多摩・秩父の登山が中心なら、この靴は本当に扱いやすい。
一方、岩稜帯が多い山・アルプスの高山帯・重い荷物を背負う縦走などでは、シャンクの硬い上位モデルの方が適している。
■ まとめ ― “長年の定番”という事実は正しい
キャラバン C1_02Sは、派手さこそないものの、
「日本の低山を歩く登山者に必要な性能を、過不足なく備えた」
非常に優れた登山靴だ。
私はギア選びにおいて「定番かどうか」という基準を重視しているが、C1_02Sはその価値観と完全に一致した。
山に入るたびに同じ靴を履く登山者を見かけ、プロである消防隊員が救助活動で使用しているのを目にしたとき、その信頼性は揺るがないものになった。
クセがなく、歩きやすく、万人にフィットする構造。
日帰り登山から低山縦走まで、幅広くカバーする汎用性。
そして“多くの人が選んでいる”という安心感。
C1_02Sは、これから登山を始める人にも、軽快に山を楽しみたい人にも、自信をもって勧められる一足だ。





