曇り空は、朝のうちはまだ身体が重かった。
05月11日、7時。伊勢原の街は静かで、空気に湿り気がある。
今日はただ大山に登るだけではない。
「同じ山を二度登る」という、少し奇妙で、しかし自分の体力を確かめたくなるような計画を立てていた。
コースタイム
◆ 1回目(7:00〜11:15)
| 時刻 | 場所 |
|---|---|
| 07:00 | 大山ケーブルバス停 |
| 07:05 | 西の茶屋 |
| 07:10 | 大山ケーブル駅 |
| 07:44 | 阿夫利神社下社 |
| 08:20 | 16丁目 |
| 08:30–08:31 | 富士見台 |
| 08:35–08:36 | 天狗沢展望台 |
| 08:44 | 25丁目 |
| 09:01–09:12 | 大山山頂(1回目) |
| 10:19–10:20 | 阿夫利神社下社 |
| 10:51–10:52 | 大山ケーブル駅 |
| 11:02 | 西の茶屋 |
| 11:15 | 大山ケーブルバス停 |
◆ 2回目(11:20〜15:49)
| 時刻 | 場所 |
|---|---|
| 11:20–11:21 | 伊勢原市営大山第2駐車場 |
| 11:26 | 西の茶屋 |
| 12:07–12:16 | 大山ケーブル駅 |
| 12:53 | 阿夫利神社下社 |
| 13:03–13:04 | 富士見台 |
| 13:08–13:09 | 天狗沢展望台 |
| 13:18 | 25丁目 |
| 13:30–13:44 | 大山山頂(2回目) |
| 14:20–14:25 | 16丁目 |
| 15:35–15:38 | 阿夫利神社下社 |
| 15:43–15:44 | 大山ケーブル駅 |
| 15:48–15:49 | 伊勢原市営大山第2駐車場(ゴール) |

一度目の登り — いつも通りの道が、いつも通りではない
大山ケーブルバス停を出て、男坂へ向かう。
序盤の石段がすでに脚を削りはじめるが、歩幅は自然と一定に落ち着いた。
・16丁目
・富士見台
・天狗沢展望台
・25丁目
石段と登りの連続は容赦ない。
それでも、阿夫利神社下社までは体が軽かった。
山の湿気が肺に入る感覚は、まだ朝のうちだからか心地よい。
9時12分。
最初の山頂に着いた。
曇っているが、丹沢の尾根がぼんやりと見える。
達成感はある。だが、ここでは終わらない。
一度下りに入り、また石段が目の前に迫ってくる。
「もう一度か…」
そう思っても足を止める理由にはならなかった。

二度目の登り — 精神が削れる区間
昼に差しかかる頃、再び同じルートへ足を向けた。
見慣れた16丁目の道標。
見覚えのある石段。
そして、朝に撮った場所に再び立っているという事実。
知らない道ならまだしも、「知っている苦しさ」が待っていると分かっている。
体力よりも精神が削られていく。
汗は午前より重く、足は確実に鈍っている。
けれど、歩くスピードはさほど落ちていなかった。
GPS のログでは 0.7~0.8 倍。標準より速め。
無心で歩くと、逆にペースが安定するものだ。
13時55分。
二度目の山頂。
周囲のハイカーの会話が耳に入るが、頭は静かだった。
「二度登った」という事実だけが、淡々と胸の奥に沈んでいく。

下山 — 平常へ戻るまでの時間
男坂の石段を下りきると、大山ケーブルバス停の空気が戻ってきた。
登山者のざわめきと、日常の温度が混ざる場所。
朝と比べると、街の空気はあたたかい。
15時49分。ゴール。
帰り際、遭難対応のような光景が見えた。
山では当たり前のリスクが、日常との差を思い知らせてくれる。
まとめ
大山に、同じ日に二度登った。
それだけのことだが、体力よりも精神が試される山行だった。
知らない道を歩くより、知っている道をもう一度歩く方がつらい。
それでも、足は前に出る。
山は努力を褒めてくれないが、歩いた分だけ景色が変わる。
今日もそれを確かめに行っただけのことだ。



