今回の目的は、まったりとバリエーションルートを歩くこと。
整備された登山道を歩く山行が続くと、時には少し違った山歩きがしたくなる。
今回選んだのは、神奈川県の矢倉岳周辺にある里山の尾根道。近野山、鳥手山、鷹落場を経由し、矢倉岳へ抜けるルートだ。
前半は明瞭な登山道がほとんどなく、ピンクテープとGPSを頼りに進む。普段の登山とは少し違う、静かな山域を歩く行程となる。
一方、矢倉岳まで到達すれば、そこには多くの登山者が集う人気の山頂が待っている。
静寂から賑わいへ。
そんな対照的な山歩きを楽しむことにした。
山行データ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 山行日 | 2026年11月7日(土) |
| 山域 | 神奈川県・静岡県 |
| コース | 山北駅~近野山~鳥手山~鷹落場~矢倉岳~遊女の滝~駿河小山駅 |
| 距離 | 18.6km |
| 累積標高差 | 登り1,245m/下り1,100m |
| 行動時間 | 5時間48分 |
| 休憩時間 | 28分 |
| 合計時間 | 6時間17分 |
| 天候 | 晴れ |
コースタイム
| 時刻 | 地点 | 区間所要時間 |
|---|---|---|
| 06:32 | 山北駅 | ― |
| 06:52 | 平山バス停 | 20分 |
| 06:57 | 洒水の滝入口 | 5分 |
| 07:47 | 林道終点・プレハブ小屋 | 50分 |
| 08:06 | 近野山 | 19分 |
| 08:46 | 畑沢分岐 | 40分 |
| 09:40 | 鳥手山 | 54分 |
| 10:08 | 鷹落場 | 28分 |
| 10:36 | 山伏平 | 28分 |
| 10:54 | 矢倉岳 | 18分 |
| 12:05 | 山伏平 | 70分 |
| 12:48 | 遊女の滝 | 43分 |
| 12:49 | 駿河小山駅 | 1分 |
Map of the route “バリエーションルートで矢倉岳へ|近野山・鳥手山・鷹落場を越える18.6kmの山行”: 18,927 m, 1,493 m of climbing and 1,344 m of descent, elevation between 105 m and 867 m, time 06:16:46. It starts at 35.36109, 139.07986 and ends at 35.35847, 138.99881 (latitude, longitude).
山北駅から林道終点へ
6時32分、山北駅を出発。

まだ朝の空気が残る時間帯。市街地を抜け、平山バス停を経由して洒水の滝方面へ向かう。
しばらくは舗装路歩き。林道へ入ってからも、車が通れるほどの道が続く。

この区間はひたすら登り。特別な見どころがあるわけではないが、これから始まる山歩きに向けて淡々と高度を稼いでいく。
7時47分、林道終点のプレハブ小屋に到着。

ここから先は様相が変わる。
近野山・鳥手山・鷹落場|道なき尾根をたどる
プレハブ小屋から先は、いよいよ今回の目的であるバリエーションルート。
明瞭な登山道は見当たらない。

踏み跡も不明瞭で、一般的な登山道のように道筋を追って歩くことは難しい。頼りになるのは、ところどころに設置されたピンクテープとGPSの位置情報だ。
まずは近野山へ。
山頂と思われる場所に到着したものの、山頂標識もなく、眺望もない。ピークを踏んだという実感は薄いが、こうした名もなき場所をたどるのもバリエーションルートの面白さだろう。

その先も、ピンクテープを確認しながら進む。
やがて鳥手山に到着。

こちらも眺望はなく、静かな山頂。登山者の姿はまったくない。
さらに鷹落場を目指す。
この区間は急登。明瞭な登山道がないため、斜面を直登するような場面もある。一般登山道とは異なり、進行方向や現在地を常に意識しながら歩く必要がある。

9時40分、鷹落場に到着。
山頂には二等三角点があった。

ここまで誰ともすれ違っていない。
人気の山へ向かう登山者で賑わう山域のすぐ近くに、これほど静かな場所が残されている。登山道の整備状況が変わるだけで、山の表情も大きく変わるものだ。
バリエーションルートを抜け、矢倉岳へ
鷹落場を過ぎると、ようやくバリエーションルートを抜ける。
それまでの不明瞭な道とは打って変わり、歩きやすい登山道が続く。
道筋が明瞭になるだけで、気持ちにも余裕が生まれる。

山伏平に到着し、矢倉岳へ。
このあたりから登山者の姿も増えてきた。

そして10時24分、矢倉岳山頂に到着。
山頂には多くの登山者。さすがは人気の山だ。
それまでの静かな山域とは対照的な光景である。
矢倉岳といえば、やはり山頂からの眺望。

金時山方面をはじめ、箱根の山々を見渡すことができる。大涌谷から立ち上る噴煙も確認できた。
晴天にも恵まれ、開放感のある景色が広がる。

前半の地味なピーク巡りを経て、ようやくたどり着いた展望。
こうした変化も、今回のルートならではの魅力だ。
遊女の滝を経由して駿河小山駅へ
山頂で景色を楽しんだ後は、山伏平まで戻り、駿河小山駅方面へ下山する。

ここからは気持ちの良い登山道が続く。
前半のバリエーションルートとは違い、道は明瞭で歩きやすい。周囲の自然を感じながら、淡々と高度を下げていく。
途中では何度か渡渉もある。

沢沿いの道を進み、やがて車道へ。
ここからはしばらく舗装路歩きとなる。
途中、車道脇に遊女の滝がある。

気をつけていないと通り過ぎてしまいそうな場所だ。立ち寄る場合は見落としに注意したい。
滝を確認した後、再び車道へ戻る。ここは若干の急登となる。
その後は駿河小山駅を目指して歩き続ける。
最後は駅へ向かう道が続き、いわばヴィクトリーロード。

12時49分、駿河小山駅に到着。

18.6kmの山行を終えた。
今回のルートを振り返る
今回の山行は、当初の目的どおり、バリエーションルートを楽しむことができた。
特に印象に残ったのは、林道終点から山伏平までの区間。
近野山、鳥手山、鷹落場とピークをつないでいくものの、一般的な登山道のような整備はない。山頂標識も眺望も乏しく、登山者の姿もない。
ピンクテープとGPSを確認しながら、自分の現在地を把握して進む。
こうした山歩きには、一般登山道とは違った面白さがある。
ただし、今回の区間は明瞭な登山道がないため、誰にでも勧められるルートではない。GPSによる現在地確認や地形の把握が必要であり、ピンクテープだけを頼りに進むのは避けたい。
一方、矢倉岳の山頂は多くの登山者で賑わい、箱根方面への眺望も素晴らしかった。
静かな里山から人気の展望地へ。
そして、遊女の滝を経由して駿河小山駅へ下る。
距離18.6km、累積標高差1,245m。数字以上に変化のある山行だった。
今回は知人にばったり会うという嬉しい出来事もあった。
山での偶然の再会も、登山の楽しみのひとつ。
特別な難所に挑むわけでもなく、ひたすら歩き、普段とは違う山域の空気に触れる。
そんな一日も悪くない。





