広沢寺温泉から大山へ ─ 唐沢尾根を越えて久遠の稜線へ


日程: 2025年11月
天候:
コース: 広沢寺温泉 → 見城山 → 七曲峠 → 日向山 → 天神峠 → 二ノ沢ノ頭 → 鍵掛 → 梅の木尾根分岐 → 不動尻分岐 → 大山 → 阿夫利神社下社 → 大山ケーブル駅
アクセス: 丹沢・大山フリーパス利用(電車+バス)
危険箇所: 痩せ尾根あり(特に二ノ沢ノ頭〜鍵掛)


登山概要

広沢寺温泉から大山へ抜けるこのルートは、地図上では破線扱い。
「唐沢尾根」と呼ばれることもあるが、公式名称ではない。
静かな山域と険しい尾根歩きを楽しめる、中級〜上級者向けのルートだ。

曇天の下、朝8時51分に広沢寺温泉を出発。序盤は林道と緩い登りだが、見城山を過ぎると急登が始まり、
七曲峠・日向山へと続く尾根筋に入る。ここからは眺望も良く、道の細さと高度感が増していく。


行動記録(タイムログ)

時刻区間時間備考
8:51広沢寺温泉 出発
9:24見城山30分最初のピーク、展望あり
9:45日向山11分小ピーク、岩場が増える
10:44天神峠48分緩やかな尾根歩き
11:01二ノ沢ノ頭19分ここから痩せ尾根が続く
11:41鍵掛26分滑落注意、緊張区間
12:56大山約3時間半山頂で昼食・休憩
14:47大山ケーブル駅 着下山完了

二ノ沢ノ頭〜鍵掛:緊張の稜線歩き

このルート最大の核心部が、二ノ沢ノ頭から鍵掛にかけての区間。
痩せ尾根や岩場が連続し、場所によっては鎖も設置されている。
踏み跡は明瞭だが、滑落すれば大事故につながる箇所も多い。

足元の岩は湿りやすく、曇天や朝露の後は特に注意が必要。
緊張感と達成感の入り混じる、まさに“修験の道”と呼ぶにふさわしい。

広沢寺から出発
林道を突き進む
大山三峰を彷彿とさせる
突如、痩せ尾根が出てくる
大山山頂が見えてくる
静寂から賑わう大山山頂に到着

大山山頂〜下社〜ケーブル駅

山頂では一面のガスに包まれ、遠望はなかったが、静けさの中に荘厳な雰囲気が漂う。
阿夫利神社下社までは石段の急下降が続くため、膝への負担は大きい。
紅葉の時期と重なれば、この下山路は一変して華やかな参道となる。

この場所が私に与えられた休憩場所
深まる秋
帰りのバスの中で達成感に打ちひしがれる

感想とまとめ

広沢寺温泉から大山を目指すこの道は、一般的な大山登山とは異なり、
静寂と緊張が続く、まさに「心を削ぐための道」だった。

痩せ尾根を渡り、鎖をつかみ、風の音だけを聞きながら歩く時間。
そこには歓喜も救いもない。あるのはただ、自らと向き合うための稜線だけ。

次に歩く者へ――この道を選ぶなら、心して臨むこと。


コースデータ

  • 総行動時間: 約6時間
  • 総距離: 約10km(目安)
  • 累積標高差: 約1,000m
  • レベル: 中級〜上級

使用装備(参考)

  • トレッキングシューズ(ソールグリップ重視)
  • グローブ(岩場対応)
  • ヘルメット(推奨)
  • 行動食・水分(2L程度)
  • 雨具・防寒具

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